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インクジェットプリンターのランニングコストのカタログ値が正しいかを検証する

プリンターのカタログなり公式サイトなりを見ると、ランニングコスト(インク代)の目安が書かれている。
しかし、インクジェットプリンターとは、放置していると自動インク捨て機能が働き、さらに手動インク捨て機能である「クリーニング」を頻繁に行う必要がある装置である。このような「印刷以外でインクの減り」がある分がランニングコストのカタログ値には反映されていないのではないか、そのため実際のランニングコストはカタログ値よりだいぶ低いのではないかと疑っているので、その検証を行った。

Canon PIXUS MG7530のランニングコストのカタログ値

検証対象は3年ちょっと使用したCanon PIXUS MG7530。

このページによると、大容量インク使用の場合、L版写真で1枚約15.5円、A4文書で約8.6円らしい。

なお、大容量インク1つあたりの印刷可能枚数は、このページに記されている。

これまでの使用状況

・黒文字主体のA4文書
・文字と画像が混在するA4Webページ
・デジカメ写真主体の写真年賀はがき 約200枚
・L版写真印刷 約200枚
・A4写真印刷 約20枚
・ディスクラベル 約50枚
・手動クリーニング いっぱい
・ノズルチェックパターン いっぱい

写真印刷やディスクラベルは、専用紙やディスクの減り分から実印刷枚数を推測した。

ノズルチェックパターン印刷で確認できる印刷枚数が約2100枚であることから、この数字を信じれば、A4文書とWebページの合計は約1600枚と推測される。

はがきの面積がL版の約1.3倍、A4は約6倍、ディスクはL版とほぼ同じと考え、さきほどのランニングコストのカタログ値を利用してこの間のインク代を計算すると、1600×8.6+(200+50+200×1.3+20×6)×15.5≒23000円
実際のインク代がこれに近い値になれば、カタログ値に嘘はないと考えることにする。

使用したインク

と、ここまで書いておいて言い出しにくいのだが、実は純正インクは1回も買っておらず、初期インクを使い切った後は詰め替えインクのみを使っている。

このインクはインクタンクもついてくるため、「インクタンクを手に入れるために純正インクを買う」ということをしなくていい優れものである。
実は、このインクの存在が、この機種を選んだ大きな理由である。
これまでにこれを3つ購入し、2つを使い切って3つ目に突入したところである。
というわけで実際に支払ったインク代は、約15000円。

だが、この記事ではメーカーが発表しているランニングコストの値が妥当であるかを検討したいので、純正インクを使っていた場合のインク代を算出する。

詰め替えインクの顔料黒が約60mL、他が約30mL、純正品の大容量顔料黒が約20mL、他が約10mLであることから、詰め替えインクを1つ使い切ったところで純正の大容量インクを3つ使い切ったと考えることにすると、現在は純正大容量インクで7つ目を使っている段階に相当するという計算になる。
これを純正インク代に換算すると、約45000円。

結果

印刷枚数とランニングコストのカタログ値から算出 実際に使用した他インクを純正大容量インクに換算
約23000円 約45000円

実際はカタログ値の約2倍程度かかっていた、という結果になった。
この差がついた原因としては、冒頭で指摘した「印刷以外でインクの減り」であると考えている。

余談

なお、なぜこんな検証をしたかというと、顔料黒がうまく印刷できない症状が出たことから、寿命かと判断したからである。
(メーカーは詰め替えインクを使うと寿命が短くなると指摘している。その真偽は定かではないが、インク代が純正と比べて約30000円浮いていることから、この差額で新機種が買えると考えると、むしろ得をしたと思う。)

今回の検証より、「印刷以外でインクの減り」が嫌になったので、OKIのカラーレーザーC332DNWを選択してみた。

これはスタータートナーが約2000枚分ついてくるため、MG7530の本体代+2000枚分のインク代と比較すると、ほぼ同じコスパであると期待している。

そしてC332DNWが届いた後、もういらなくなったMG7530は試しにヘッドを取り出して掃除してみたところ、ちゃっかり復活した。
まだ詰め替えインクも残っていることなので、今年の年賀状はMG7530で印刷する。
…買ってしまった新機種どうしよう